<第4回> カツミ営業部の森です。 週2回の更新…なかなかハードですねぇ。40年間休載のなかった『こち亀』の秋本センセイは本当に立派です。
「排気口」はロストワックス製のパーツです。前回の<17>で解説したように、ロストパーツの方が車体よりも厚みがある為、なかなか温まらずハンダが思う様に流れてくれません。この様な場合は、コテを出来るだけロストパーツに当てるようにしてみて下さい。車体の(薄い)方は伝導した熱で十分に温まります。
このキットの前面は、ロストワックス製です。前回説明したように、ロストワックスは型に溶かした真鍮を流し込んで作りますので、「湯口(注ぎ口)」が発生します。プラモデルで言うところの「ゲート」みたいな物です。メーカーの方で湯口を仕上げてから出荷しても良いのですが、その辺りは価格に反映されてしまいますので、お客様にご協力頂くようになっております(遠回しな言い訳)。
その湯口の仕上げ方ですが、大きめの「ニッパー」又は「糸ノコ」で切り取ります。特にニッパーで切り取る時の注意ですが、いきなり部品の際に刃を当てて切らないで下さい。力の加わりによって部品が変形してしまったり、部品に切り込み過ぎてしまったりするからです。よって、まずは湯口をほんの少し残して切り取ります。そして残った湯口は丁寧にヤスリで仕上げるようにして下さい。この辺りはプラモデルの作り方と一緒です。
湯口はキレイに仕上がりましたか?次に、前回の<16>で説明したとおりロストパーツはワックスを取り除かないとハンダが付かないので、接合面(ハンダを流す箇所)をキサゲ刷毛等で磨いておきます。
このキットの前面は比較的平らなので、車体に当てがい、ベーク板の上に「ドンっ!」と置きます。ハンダ付けの際、指で押さえていると当然火傷しますので、画像の様に「ベークブロック」で挟んで押さえます。
ここも基本中の基本、「仮止め」から入ります。まずは、「てっぺん」を一か所「ジュっ!」と点付けして下さい。
次に「裾」を仮止めします。右側からでも左側からでも構いません。
「右裾」から仮止めをしたので、次は「左裾」です。
何故、この「てっぺん⇒右(左)裾⇒左(右)裾」の順番で仮止めをしたのかを説明致します。前回説明した通り、真鍮は熱で膨張します。よって、「両裾」を先に仮止めしてしまうと、車体(もしくは前面)が微妙に膨張し車体の内周と前面の外周に極僅かなズレが生じてしまい、キレイに合わなくなってしまう事があるからです。「てっぺん」から仮止めをして行けば、長さのズレが生じても裾で逃がす事が出来ます。まぁ、大袈裟な心配なんですケド、念には念をです。
仮止めは、こんな感じです。ぐるっと確認して、問題がなければ「本流し」です。
「本流し」も「仮止め」と同様に、「天井⇒裾」の順に流すと上手く行くでしょう。