<第3回>
カツミ営業部の森です。
お待たせ致しました。いよいよ車体キットの組立開始です。
今回組み立てるのは、チャレンジシリーズキット「キハE130」です。
このキットは、極力ハンダ付けの箇所を減らし、難しい塗装も付属のシールでクリア出来ると言う、初心者でも取り組みやすく、ベテランモデラーでも気軽に楽しめるキットとなっております。
この他に『チャレンジシリーズキット』は、?「クモユニ74」?「東急3450形」(生産休止)?「キハE120」?「ステンレス電車」がございます。
ここで、「令和ヒソヒソ噂話」…。年内に新しい「チャレンジシリーズキット」が出るらしいよ。今度は関西の車両だって。
全てのキットに言えることですが、「ドア」のハンダ付けから取り掛かります。
部品としての車体はフニャフニャですから、出来るだけ早く「ガチっ」とさせることで歪み等のリスクをなくすのが狙いです。
まずは位置決めをします。付属の図面や実車の写真を参考にして、窓の位置を基準に車体にドアを当てがいます。
そして位置が決まったら、クリップで仮押さえをします。画像は、エコーモデルさんの「アルミクリップ」です。アルミ製なので、熱で溶けず(当たり前ですが、プラは溶けます。)、適度なグリップ力と咥えやすさ。さすが模型工作用です。文房具屋さんで売っている「目玉クリップ」は、グリップ力が強すぎ、何よりも錆びるのでハンダ工作には向いておりません。
位置が決まれば、さぁ!ハンダ付けです。まずは「仮止め」。ハンダ工作において、この「仮止め」が何よりも重要です。「仮止め」さえ正確に出来ていれば、「本流し」は何も難しい事はありません。
「仮止め」の手順です。右利きの方でしたら、ドアの右側一か所に、ハンダを「ジュっ」と点付けします。
ここで、車体の外側から見て、正しい位置にドアが付いていればOKです。
では、ズレたり、曲がって付いてしまったら…。一か所だけの点付けですから大丈夫です。潔く外して、付け直しましょう。点付けのハンダにコテを当て、ハンダが溶けたら、車体とドアが歪まぬよう注意を払い、ピンセットでつまみ上げて下さい。
付け直す前には必ず、残っているハンダをキサゲなり紙ヤスリで削り落として下さい。
次に左側を「仮止め」します。勇んで、本流しをしないで下さい。左側もまずは点付けです。何故かと申しますと…、右側を仮止めする際には、ドアを抑えるドライバーが右側に寄りがちです。よって、左側が多少浮いたりしてしまいます。よって、手間ではありますが、左側も点付けし、再度の確認をします。念には念をです。
ここで皆さん、「左側なんてコテが当てられないよ!」と叫んでいるでしょう。でしょうね。右利きだと、ドアを抑える左手と、コテを持つ手がクロスして、やり辛いですよねぇ…。
そんなお悩みを解決!車体を画像の様に斜めにしてみて下さい。いかがですが?多少は、コテを当てやすくなったのではないでしょうか?
確認しましたか?OKでしたら「本流し」です。ドアの左右を上から下に向かって、ハンダ付けします。前回の<8>を思い出して下さい。コテを寝かせることによって、ハンダはきれいに流れてくれます。
左右流し終わりましたか?それでは、ドアの上と下はどうしましょう?
答えは「いたしません」(米倉さん風に)。何故かと言うと。真鍮は熱で膨張します(反ります)。よって、必要以上(左右でしっかり付いているのに)にコテを当てると、ドアが歪んで(大袈裟に言うとベコベコになって)しまうからです。
「必要以上にコテを当てない」これが、キレイに組立てるコツです。
先程取り付けた「乗降ドア」は、真鍮板に「エッチング」と言う製法で窓抜きと溝を入れ、「プレス」で車体形状と同じ様に曲げた部品でした。
次に取り付ける「乗務員ドア」は、「ロストワックス」製法(型に溶かした真鍮を流し込んで作られた鋳造品)によって作られた部品です。
このロストワックス製の部品は、型から取り出しやすいよう離型剤(ワックス)が塗られております。離型剤は、ハンダも弾きます。よって、離型剤を取り除いてからでないと、ハンダ付けが出来ません。
画像で言うと、向かって左側の黄色いドアが、離型剤が残っている状態。向かって右側の金ピカなドアが、磨いて離型剤を取ったドアです。
この離型剤の研磨は、「ヤスリ」や「キサゲ」で行います。力は入れずに、ササッとでOKです。
ハンダ付けの手順は、「乗降ドア」と同じです。
一つ気を付けたいところは、プレスのドアは厚さ0.4mm程度なので、コテを当てれば直ぐに温まります。それに対して、ロストワックスのドアは1.0mm程度の厚みがあり、直ぐには温まりません(ハンダが流れません)。
コテを外しても直ぐに冷めない(固まらない)ので、ワンテンポ遅らせて、部品を抑えているドライバー(又はピンセット)を外すようにして下さい。コテと同時に離すと、部品が外れてしまいます。
次回は、「前面パーツ」の取付けです。