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Web版ハンダ付け教室 チャレンジシリーズキット「キハE130」を作る

<第1回> カツミ営業部の森です。 毎月、直営店において「ハンダ付け教室」を開催しておりますが、なにぶん、この様なご時世です。「密」なイベントは控えざるを得ません。 以前から「日程的に…」「遠方なので…」と、参加したくても参加出来ないお客様の為に、HPで「ハンダ付け教室」を出来ないものかなぁ…と思っておりましたので、この機会に試験的に、やってみたいと思います。興味のある方は、お付き合い下さい。
まず手始めに、「入門者向けキット」である「チャレンジシリーズ・キハE130」の作り方を、ハンダ付けの基本をメインに、ご紹介して参ります。


1.プロローグ

まず初めに…ハンダ付けと言っても、「電気配線」と「真鍮工作」では、全く別モノだと思って下さい。 「電気配線」の場合は、基板の上にハンダの山を作り、そこにコードを差すイメージです。 よって、ハンダは山状(しずく状)でなければなりません。 それに対して、「真鍮工作」の場合は、完全に接着剤の役割です。よって、ハンダは薄く流さなければなりません。 その為、使うハンダもコテも異なります。 続いて、工具の説明をします。ハンダ付けに最低限必要なのは、「ハンダごて」・「ハンダ」・「塩化亜鉛」の3つです。

2.ハンダごて

まずは「ハンダごて」ですが、色々な大きさ(出力)があります。 HOスケールの真鍮工作ですと60~100Wのコテが必要となります。私が推奨するのは「大は小を兼ねる」と言う訳ではありませんが、100Wをおススメ致します。それは何故か…?何処かで、その理由を説明致します。
もう一つ、コテのパワーと共にコテ先も重要です。市販のコテには「ペン先状」のコテ先が付属しています。あくまでも(市販の物は)電気配線を前提としているので、この様な形状なのですが、真鍮板のハンダ付けには向いておりません。
よって、おススメするのは弊社カツミが販売している「平コテ先(本体価格1,200円)」です。なお、このコテ先は「石崎電機 SURE 100Wハンダごて」専用となっております。

3.ハンダ

つづいて「ハンダ」です。そりゃ「ハンダ付け」ですから「ハンダ」がなければ始まりません。
「ハンダ」とは、「鉛」と「スズ」の合金です。弊社で販売している「業務用ハンダ(本体価格1,000円)」は「鉛」と「スズ」の比率が5対5です。この比率が変わると、ハンダが柔らかくなったり(スズ>鉛)、硬くなったり(スズ<鉛)します。一方融点が変わるので、低温で溶ける物(スズ>鉛)と高温で溶ける物(スズ<鉛)に作り分けが出来ます。
弊社の「業務用ハンダ」は、(無難に)削り易くかつ適度な硬さのハンダを採用しているのです。
最後に、「電気配線」用の「ヤニ入りハンダ」は強度(喰い付き)が弱いので、「真鍮工作」では用いません。

4.塩化亜鉛溶液

三つ目は「塩化亜鉛溶液(別名:フラックス)」です。解りやすく言うと「魔法の水」です(余計解りにくいか…)。小難しく説明すると、真鍮版表面の酸化膜(汚れ)を清浄してくれ、表面張力により丸くなろうとするハンダを平たく流してくれるのが「フラックス」です。
解りましたか?やはり「魔法の水」と言う事で…。
元々は「塩化亜鉛」は薬局で売っている「白い粉」です(「あぶ刑事」が追っている様なドラッグではありません)。一応、身分証明が無いと売って貰えないような薬です。模型屋さんでは、このヤクを10倍程度で薄めた水溶液を販売しています(身分証明は不要です)。
尚、ホームセンターで売られている「ステンレス用フラックス」も使えなくはありませんが、かなり強力(プールの臭いがするので塩素がいっぱい入っていると思われます)な分、お値段も高くなっているので、模型用をおススメ致します。

5.その他必要な道具

「ヒートコントローラー(本体価格3,790円)」=ハンダごての調温器/「ベーク板・大(本体価格1,300円)」=工作台/「割り箸」=フラックスを塗るもの/「マイナスドライバー」=ネジ止めの為ではなく部材を抑える為のものそれぞれ、詳しく使い方等を説明したいところですが、「三種の神器」だけで、かなりのボリュームとなってしまった為、又の機会にでも説明させて頂きます(「又の機会」はあるのだろうか?)。
それでは、次回から実際に「ハンダ付け」を行ってゆきます。

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